市場価値を上げてくれる会社を選ぶ

2015年11月10日

これまでの日本は、人生をすべて会社に投げうって心中するというくらいの姿勢を会社に示す代わりに、将来の安心・安定とステイタスを得ていました。
男が社会に出て、会社に入るというのは、いってみれば人生一蓮托生です。
会社に滅私奉公する代わりに、サラリーと継続的な雇用、退職金、扶養手当や住宅手当まで面倒を見てもらうということだったのです。

これは大企業だけではなく、中小企業も同様でした。
逆に中小企業のほうが意外と手当がついたり、年齢給が高かったり、退職金が支払われてきた傾向があります。
特に団塊世代の中小企業の経営者は、働いてくれた社員に対する感謝の気持ちを表すために、最終月給の30カ月分を退職金として払い続けてきました。
ある意味、その契りが美しくもあり、見事に成立してきたのが日本型経営だったわけです。

しかしいまはIT革命もあり、グローバル化が進み、企業の寿命も30年といわれていたものが5年と修正された時代です。
5年が経つと業界に天変地異でも起きたかのような劇的な変化が起こり、そこで生き残る会社自体は多くありません。
それでは社員を一生守れるはずもないわけです。

ですから、これから働く人たち、特に学生には終身雇用を求めてほしくないのです。
その切符を手に入れられるのはもはや0・01%程度のものでしょう。

たとえば、「三菱商事という社名が5年後なくなっている可能性があると思いますか?」という問いで、「A:1%以上ある」「B:1%未満」というふたつの答えがあったとしたら、20代のビジネスパーソンは9割Aを選ぶでしょう。
数十年前であれば、大手企業がつぶれるなどということは誰も考えたことがありませんでした。
しかしいまはみんながその可能性があることに気がついています。

そこで、これから会社に求めるべきことは、自分の市場価値を上げてもらえるかどうかです。
いつか会社と決別したあとも、生きていかなくてはいけないからです。