嘘つき経営に騙されない

2015年11月18日

結局のところ、社員からいろいろな不平不満が出るのは、経営理念や社是の前にあるべきもの、つまり人事評価制度がないからです。
社員はこう思っています。
「自分の給与がどうなるのかも提示していないのに、理念とかいわれてもちゃんちゃらおかしい」と。

たとえば「お客様のために」という経営理念、もしくは「お客様第一主義」という社是なのに、「客を騙してでもいいからその日に注文書を持ってこい」というマネジメントだったら、社員は何を信じてよいのでしょうか。
 
または会社にもほとんど来ずに、会議では支離滅裂で、罵声だけあげている社長なのに、経営理念だけは美しかったら、社員はどう感じるでしょうか。
 
要するに、外向きの顔と内向きの顔の二面性がある状態で、美しい理念や社是などは白々しいということです。
誰も賛同しないし、社長のことを嘘つきだと感じてしまいます。
 
しかし、残念ながら実際のところ、ほとんどの中小企業には人事評価制度がなく、理念だけが存在します。
これは厳しいいい方をすれば、「嘘つき経営」です。
処遇に反映する目標を明示することと、崇高な理念があることのどちらを社員は望んでいるのか、普通に考えればわかるはずです。
 
「経営理念から処遇や働き方や評価が定まるのだ」というのは経営者の単なる詭弁です。
そうではなく、「理念」と「一人ひとりの緻密な目標」がつながっていて、初めて理念というものは浸透していくのです。
 
もう一度書きます。
経営者の皆さん、立派な経営理念や社是をつくる前に、緻密な人事評価制度をすぐにでも構築してください。
 
そして、学生やビジネスパーソンの皆さんには、経営理念や社是よりも、多様な働き方が許されているか、緻密に人を活かしているか、そういう風土や仕組みがあるかをしっかりと見極めて、会社を選んでいただけたらと思います。