IT革命の本質

2016年10月09日

とどまることを知らないIT(情報技術)の進化。巷ではこのIT革命が雇用を奪ったなどと、よくいわれます。
『機械との競争』の共著者アンドリュー・マカフィー氏は、アメリカで長引く失業問題の背景には、
景気循環やグローバル化以外に、IT革命の影響があるといっています。なかでもホワイトカラーによる知的労働がもっとも大きなダメージを受けていると。

確かに日本でも、いわゆる卸売業がなくなるとか、百貨店の社員がいなくなるとか、ITの進化によって失われた雇用というのはたくさんあるでしょう。

しかし、結論からいうと、私はIT革命は雇用を奪ってはいないと思います。そうではなく、既存のいわゆる事業体、いままでよかったと思われている業界が変わっているということ、すなわち市場が大きく様変わりしたことが、IT革命がもたらした大きな変化だと思うのです。わかりやすい例を出しましょう。

人々はamazonや楽天などインターネットでのショッピングに慣れ、百貨店の店員は確かに雇用を奪われました。
しかし運送会社のトラック運転手や倉庫の管理スタッフという雇用は増えています。人が店を訪問して物を買う時代ではなく、物を送り届ける時代になった、つまり物流革命が起きたのです。

またインターネットの普及により、私たちは無料でニュースを読んだり、好きな動画を視聴したり、訪問先の地図をプリントアウトしたりスマートフォンで確認できるようになりました。結果的に、新聞、雑誌、ラジオ、テレビなどの既存メディアの凋落は激しいものがあります。

これを「会社選びの新基準」で考えれば、これまでの一流企業や人気があった業種は、業界自体がなくなるかもしれません。
既存の仕事が消滅し、雇用形態が変わる、それがIT革命の本質なのです。